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2012年02月26日 Archive

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Camellia

  • Posted by: atollblue
  • 2012-02-26 Sun 00:56:48
  • music
子供の頃、家の野良仕事を手伝いに来ているKさんという初老の人がいた。
Kさんは聾唖者だったが、障害がなければさぞ女性に持てただろうと思われる男前だった。
私の家は農家ではなかったが、片手間に田畑をやっていた。

いつものように私は田仕事の大人について行き、畦道で一人遊んでいた。
気がつくと、Kさんが田の近くの小川のほとりで声を上げ手招きで私を呼んでいる。
そこは数本の椿が植えられ、赤い花が咲いていた。


IMG_P2032153.jpg


Kさんは手振りで私に椿の花をもいでみろと促し、自分でもやって見せた。
そして、ガクごともがれた赤い花から、うす緑のガクを取り去った。
花の付け根には3ミリほどの穴が開き、雄しべの根元が見えている。
Kさんはそれを口元へ持ってゆき、私にもそうしろと促す。
そして音を立てて花の根元を吸った。
私もそのようにした。

…口の中に淡い甘さが広がる。
椿の蜜だった。
Kさんはごつごつした手で嬉しそうに私の頭を撫で、
農作業にもどって行った。



♪   ♪   ♪



もう何年も前 つげ義春の「紅い花」がNHKでドラマ化された

山奥の渓流 少女が浸かる上流から流れてくる幾つもの椿の紅い花
自分の足元を流れるそれを見た少年の驚き
初潮の隠喩

Yes の "I Get Up I Get Down" は その幻想的なシーンに使われた(00:40~01:09 のあたり)





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